洗剤の知識
結局…どれがいいの?
どれも同じ?
知っておきたい種類と
その仕組みについて
毎日お洗濯する洗濯洗剤はどのように選んでいますか?
『洗濯洗剤はどれも同じなので、あまり気にしていない』
という方も多いと思いますが、衣類の汚れの違いによって、
洗濯洗剤の種類も変わっています。
自分に合った洗濯洗剤を使い分けて選んでみてはいかがですか?
洗濯洗剤には、衣服に付着した汚れを効率よく落とすために、様々な成分表示がパッケージに書かれています。
それぞれの特徴をご紹介します。
-界面活性剤
汚れを落とす主成分。浸透・乳化・分散作用の働きで汚れを落とします。陰イオン系、陽イオン系などの種類があり、洗濯用の合成洗剤には、陰イオン系と非イオン系が主に使用されている。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
アルキル硫酸エステルナトリウム
純石けん分(脂肪酸ナトリウム)
-水軟化剤
水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンをとらえて、水の硬度を下げ、洗浄力の低下を防ぐ。
アルミノけい酸塩(ゼオライト)
-安定化剤
製品の保存安定性を保つ働きがある。
プチカルビトール
亜硫酸ナトリウム
-酵素
繊維の奥に入り込んだ脂汚れやたんぱく質汚れを分解し、落としやすくする働きがある。
セルロース分解酵素(セルラーゼ)
たん白質分解酵素(プロテアーゼ)
脂質分解酵素(リパーゼ)
-アルカリ剤
洗濯液を適度なアルカリ性に保って、油性汚れを取り除きやすいようにしたり、配合された酸性成分を中和し、適正な液性にするために用いられる。
炭酸塩
けい酸塩
-金属封鎖剤
原料等に微量に含まれる金属イオンを取り込み、品質を安定させる働きがある。
エチドロン酸
-工程剤
製品を製造するときに、作業工程をスムーズにする働きがある。
硫酸塩
水
-漂白剤
汚れや色素を化学的に分解する。洗濯用洗剤に配合される場合は、色柄物にも使用できる酸素系漂白剤が使用される。
過炭酸ナトリウム
過酸化水素
-ph調整剤
その製品の液性(ph)を安定させたり、製造時に製品のphを調整するために用いられる。
クエン酸塩
-分散剤
洗濯によって落ちた汚れを洗濯水中に分散させ、再び洗濯物に付かないようにする成分。
ポリアクリル酸ナトリウム
-蛍光増白剤
紫外線が当たると青紫色を発光する染料の一種で、白い衣類の多くに使用されている。しかし、洗濯の繰り返しにより、徐々に落ちてしまうため、白さを補うために一部の洗濯用洗剤に使用されている。
蛍光増白剤
-香料
香りを付与する。
香料
汚れの種類と汚れを落とす特長
衣類の汚れは、3つに分かれています。
【水溶性の汚れ】
・汗や飲食物、果汁など水で落とせる汚れです。
・そのままにしておくと、シミになり除去しにくくなります。
【親水性の汚れ】
・ジュースや泥などの汚れで水になじみ、
ある程度までは水や洗濯機で落とせる事ができます。
【疎水性(そすいせい)の汚れ】
・化粧品などのシミや食品の食べ残しなど、
水や洗濯機では落とす事ができません。
この3つの汚れのうち、【親水性の汚れ】【疎水性の汚れ】を落とすのが洗濯洗剤になり、
洗剤の主成分である界面活性剤がこの汚れを落としています。
洗濯物の汚れを落とす特長は、洗剤の主成分である界面活性剤が大きな働きをしています。
界面活性剤とは?
本来なら混ざり合わない水と油。
イタリアンドレッシングのように、水と油は、混ぜ合わせても2つの層にわかれてしまいます。
この水と油を混ぜることができるものを「界面活性剤」とよんでいます。
界面活性剤の仕組み
界面活性剤は親油基と親水基で構成されていて、二つの極性の基を持つことで、油も水もどちらも吸着することができます。 上の図を見ていただければ分かるとおり、界面活性剤が親水基を外側に、油汚れがくっついた親油基を内側にしてミセルを形成することで水の中に油分を均等に配分する、つまり溶かす事ができます。界面活性剤の役割は相互に反発しあう液体と液体溶解させることです。